私の治療は鍼灸治療がメインとなっております。ただ鍼灸治療といっても治療方法は鍼灸師一人ひとりで全く別なんです。
それでは、どんな治療なのか紹介していきます。
治療の概要
私は、経絡治療という治療法を行っています。
この治療法は「黄帝内経」と言われる中国医学最古の医学書をベースに作られた治療法です。
その特徴は、標本同治。
症状に対しての治療はもちろんですが、どんな症状にも根本的な原因が隠れています。その根本的な原因までも治療するのが標本同治であり、経絡治療の特徴です。
例えば、肩がこって肩をもむとその時は楽になるけどすぐに元に戻ってしまい、結局何年も肩がこっていませんか?
それは根本的な部分の治療をしていないだけなのです。症状は「身体の異常を知らせる警告」ですから、原因がなくなれば警告である症状は自然と消えるのです。
筋肉や骨格、内蔵のはたらきや病理などの西洋医学と三千年以上の経験医学である東洋医学の両面からアプローチすることで様々な症状に対応することが可能です。
治療の目標
治していくには目標が必要です。
症状が無くなるのが治療のが目標ではなく、身体が正常な状態に戻るのを目標にしています。
先ほど症状は「身体の異常を知らせる警告」というお話をしました。症状がなくなればもう大丈夫と思ってしまう方も多いと思いますが、それではまだ完全ではありません。
身体が変わらないと、またいつ症状が出てもおかしくない状態なのです。正しい状態というのは、内臓が正しく機能して全身のバランスが取れた状態です。
ここまで身体が変化できてこそ治ったと言えると考えています。
治療方法
問診
初めての方は症状や原因、生活習慣などをカウンセリングします。
根本の原因まで解決していくには、現在の身体の状態やどうして現在の状態になったのか把握する必要があります。
目に見えている症状だけを見ていては根本的な治療は難しいです。
その目には見えない症状を見つけるには、問診が重要になってきます。
大抵の場合は、1つの症状だけではないはずです。気付いていなかったり、仕方ないものと思い込んでしまっていた症状は意外とあると思います。
どんな些細な症状でも治療のヒントにもなりますし、東洋医学では改善ができるものも多くあるので相談してみてくださいね。
切診
東洋医学の診断法の一つである切診法。
これはいわゆる触診のことで、実際に身体に触れて動作や皮膚、筋肉の状態、浮腫、硬結、圧痛、寒熱など全身の状態を見ていきます。
その中でも特殊な診断
- 脈診
これは手首(橈骨動脈)の脈を見る方法です。脈のリズム、速さ、強さをみます。手首の脈には全身の状態が現れているので、全身の把握に欠かせません。
また、脈は身体の状態がリアルタイムで映し出されています。例えば、ご飯を食べたり走ったりするとすぐに脈に出ます。
- 腹診
これはお腹を直接触って硬さや寒熱などを見る方法です。
腹診も全体の状態が映し出されますが、脈診との違いはより長期的な身体の状態や体質が現れます。
なので根治には重要になってきます。
- 切経
これはせっけいと読み、経絡の状態を診る方法です。
経絡は主に12種類が全身を巡り、六臓六腑それぞれにつながっています。臓腑と経絡は相互関係にあり、経絡に異常が出れば臓腑にも影響し、臓腑に異常があっても経絡に反応が出ます。
これを診ることで診断と治療すべきポイントが決まっていきます。
いざ刺入
初めから辛いところに刺すわけではありません。
なぜかというと、例えば肩こりが辛いとして肩に刺せば確かに緩みます。それは鍼が刺さると血流が良くなり、筋肉は緩むからです。
しかし、本当に治さなければいけないのは「肩こりを起こしてしまう身体の状態」です。
実際に関連する部位を治療しても肩は緩みます。逆にここを抜かしてしまうと完全には症状が取りきれないのです。
もちろん例外として症状が強く、じっとしていられないほどの時はまず症状を抑えることもあります。
なのでまずは、周りの関係するところから。そして最後に症状のところも治療します。
この流れこそ完全に治していくには重要なのです。
基本の流れ
仰向け
脈診や腹診、切経をして鍼をします。基本的には鍼は刺したまましばらく置いておきます(置鍼)。
症状や状態によって置鍼の長さは変わりますが、だいたい10〜15分程度置いておきます。
その後鍼を抜いて、うつ伏せに。
うつ伏せ
背中側も触診してから鍼をします。
表だけでは取りきれない部分も、裏(背中側)も治療することで症状がとれていきます。
座位
ベッドに腰掛けて肩や首を仕上げて終了という流れです。
もちろん症状や人によってできない体勢もあるので、横向きやできる体勢のみでの治療も可能です。
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